《MUMEI》 ガチャっと随分遅れてドアが開いた。 −−よかったいてくれた。今の俺には真奈だけが頼りだった。 「石島君、どうしたの?まぁ上がって待ってて」 真奈は風呂あがりだった。………というより風呂に入っている最中に何度もインターホンを鳴らす迷惑な客が来て慌てて出て来たという感じだったのだろう。 どれくらいドアの前で待っていたかは解らない。それだけ俺は必死だった。 前へ |次へ |
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