《MUMEI》
思現素と万力素について
思現素(シゲンソ)と万力素(マンリキソ)について

成継史では、合戦以外に流派同士の決闘がしばしば行われる。一個人が、強大な力を発揮できる源として、思現素(立類)と万力素(香金)があげられる。この二つの力について紹介したい。

思現素とは、物を思った形状に変形させる能力である。発動には、術者と物(武器等)に思現素があることと、術者が触れる(触れたものと接触したもの)ことが前提である。

立類国に多く存在し、立類国土の鉱山や海等動物等を介して自然に人体に蓄積される。遺伝等でDNAに変質を及ぼす可能性は低いが、代々能力を発現する血脈も存在する。大半の人間は、この物質の能力の発現や体内にあることを自覚することすら難しいが、万力素と比べると、武器の為か偶然能力を発現する確立は高い。この物質は力を生むだけでなく少なからず健康に被害を及ぼし細胞臓器を変異させたり拒絶反応でショック死する例も嚠王寺政権時代には見られたが、このような遺伝子は淘汰され、原年時代頃には殆ど見られなくなった。

能力の強化等は当人の物(武器)における思現素以外の含有物(金属、石、骨等)との相性と体内の思現素の含有量、物の熟練度に起因している。物質自体を遠隔で自在に操るため、石灰石やありふれた物質に相性がある場合は増幅能力も加わるため、かなりの攻撃能力となり脅威である。

万力素とは、物質の量を増幅させる力であり、火や水、土、塩、風にいたるまで流動物質を増幅させる力素、流動ゆえ、鉱物や石等には原則として発揮されない。発動には、術者と増幅させる物(自然発生のみ)と術者が触れる(触れたものと接触したもの)ことが前提である。

上位能力として、物質を派生変質(抽出:水→水素、凝固:水→氷、混合:火+土→溶岩、瓦等)することができる。万力素の攻撃は攻撃対象に対して、流動物質を投げつけ更に増幅させ範囲を広げ、回避不能にして命中させる傾向があるため、かなり直線的で大雑把な様相を呈する。急所攻撃というよりは圧殺がふさわしい。

万力素は、香金国に多く存在するものであり、思現素と同様、海や山等に多く含まれ、食物等で体内に蓄積する。遺伝等でDNAに変質を及ぼす可能性は低いが、代々能力を発現する血脈も存在する。ほとんどの人間はこの物質の能力の発現や体内にあることを自覚することすら困難である。しかし、この物質は力を生むだけでなく少なからず健康に被害を及ぼし細胞臓器を変異させたり拒絶反応でショック死する例も嚠王寺政権時代には見られたが、このような遺伝子は淘汰され、原年時代頃には殆ど見られなくなった。

能力の発現過程は思現素よりも困難で、「水」で例える具体的な段階としては、@手につけた「水」が拭かない限り乾かなくなる、A「水」がつけた状態から増える、B「水」を飛ばしても障害物に当たるまで消えない、減らない(むしろ増幅する)ことで初めて使えるようになるのである。従って、人体に害を及ぼす炎や雷、氷等を術として扱えるものは「神」の域とされている。

増幅させる物質については、ほとんど物質との相性のみが関係し、理想だけでどうなるものではない。更に術として使うには、かなりの熟練が必要となり、能力の発動には必ず元々の自然発生した物質が必要なため術者はマッチや水筒などを携帯することが必須となる。

思現素と万力素はどちらも熟練すればするほど意のままに操ることができる。攻撃性能については、質量をほぼ無尽蔵に増やせる万力素が強いが、防御性能に関しては、流動物質のみを増幅する万力素よりも、金属等硬質なものを意のままの形状にできる思現素が優れる。但し、万力素に関しては上位能力である派生変質を使って氷や瓦など硬質度があるものを繰り出した場合は思現素を上回ることもある。
全体的な強さについては、技のバリエーションや派生変質の可能な万力素に軍配があがることが多々あるものの、成継や成鳴の気爆拳(前者が溶岩爆発、後者が水素爆発)は究極の高等技術であり、この術は理論上不可能だった為、汎用性の高い思現素が「力」の象徴であることは周知されている。

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