《MUMEI》

さすがに電話の内容にまで耳を傾けるのは気が引けたので、俺は自分の考えを整理しようと目をつぶった。

電話を終えた真奈はまた俺の正面に座りこんなことを言った。

「別に気にしなくても言いわ」

「えっ?ごめん、何が」

「だから私が言ったことも、今日図書館で聞いた話しも、忘れた方が良いわ」

「馬鹿、何言ってるんだ。次は高校生が死ぬんだよな、それは俺かもしれないんだろ。忘れろったってそういう訳にはいかないだろ」

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