《MUMEI》
第二石
朝。

「よーし、今日も頑張るか。なあ、魔石くん?」
『ですね〜』
「魔石くん?」
『はい』
「その体、どうしたの?」
『体?』

体を見る。体?俺は魔石だから、そんなもの、、、
あった。ありました。石で出来ている体が。

これはまさか、

『「ゴーレム!?」』

ゴーレムとは岩石でできた体をしていて、どこかにある魔石を破壊しなければ、倒せない厄介な魔物である。

「マジかよ、おいおい」
『こんなに、なるまで時間なかったはずなんですけど!?』
「何かできるか?」
『ん〜、体の中の魔石を動かせるのと、後は、精霊術の土系統が、上昇したぐらいですかね』
「試しに一発、見せてくれ」
『は、はあ』

一発、見せろと言われてもなぁ〜

(適当に『ロックニードル』)

身体中から針が生えた。しかも、長い。旅人はギリギリ避けたそうだ。三秒経つと針は体の中に戻っていった。

「な、なんだよ、それ!?」
『知りませんよ!?』
「ゴーレムってすげぇな」

その後、いろいろ試すことになった。

家を作ったり、ドリルを地中から生やしたり。ゴーレム万能はでした。

今は下半身をガDタンクのように、変形させ、旅人を上に乗せ、競歩ぐらいのスピードで走っている。

『そういえば、名前は何なんですか?』
「いま、それを聞くか?」

旅人は呆れ果てている。

「カイドウ ジン、25歳だ」
『その歳のわりには老けてみえますが』
「そうか?」
『ええ』
「ま、俺の話題はどうでもいいさ。お前はなんていう名前なんだ?」
『名前、分かんないんですよね〜』
「ほう、なら俺が決めてやる」

俺の名付け親がジンになった。

「ん〜、岩だろ・・・ん〜リファルかな」
『リファルですか。その意味は?』
「俺って神話とか好きでさ、色んな神話を調べてたわけ。神話に出てくる名前がかっこよくて。ある神話の中に出てくる岩にまつわる秘宝の名前をいじった」
『そんなこと、していいんですか!?』
「さあね」

ジンは知らんぷりしている。いつか、呪われるんじゃね?

「このまま、道を真っ直ぐ行ってくれ。街が見えるはずだから、見えたら教えてくれ。それまで、寝る」

ジンはいうやいなや、すぐに寝始めた。

(はあ、面倒だな)

ジンに言われた通り、真っ直ぐ道を行くといつの間にか森林に入っていた。
かまわず、前に進む


―――――――――――――――――――――――

だいたい二時間はかかっただろうか

前方に街と王宮のようなものが見える。階層みたいにいや、階段みたいに?何て言ったらいいか分からない。いくつもの円柱が真ん中の城に階段のように合わさる感じのなにかが見えた。

『あの〜ジンさ〜ん』
「ん、おっ、見えたな」
『何ですか、あれ?』
「あれは、王都バレスチナだ」
『王都?』
「簡単に言えば首都だ」
『お、何か、門が見えるな』
「ちょっと待ってな」

ジンは門の前にいる兵士に話にいくのか、俺から降りた。テクテクと歩いていき、兵士と何やら言い争った後、兵士が頭を抱える。

ジンが手招きしているのが見える。再び動き出す俺。キャタピラを動かしゆっくりと前に進む。

「こいつが俺の旅のお供だ」
「なんだよ、こいつ」
「名前はリファルだ」
「いや、名前じゃなくて」
「ゴーレムだ」
「ゴーレム!?」
「ああ」
「あ、その、コイッいや、リファル?が暴れだしたら責任とるんだろうな」
「ああ」
「ちっ・・・・仕方ない。王宮には言っておくからな?」
「了解した」

何とか兵士に許可を取り、門を潜ると、外でみた景色とは別世界が広がっていた。

「あの、ほら、上だよ。上。白を基調とした豪邸みたいな家があるだろ?あそこに行ってくれ」
『お、おう』

キャタピラを動かし豪邸に向かう。ジンはいつも通り、乗っている。

「あの、エレベーターっていうんだが、分かるか?」
『エレベーター・・・?』

エレベーターという言葉に引っ掛かりを覚えたが、気のせいだと思い込んだ。

「あの、円柱にのって、5階ってかいてあるボタンを押してくれ」
『あ、はい』

エレベーターに乗ろうとしたとき、

「おい、大型は隣だ!そこではない!」

という声が聞こえた。

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