《MUMEI》
第十五話 後編
伊神からスタミナ回復上昇などといった効果の魔法をもらい、さらにスライムに攻撃する桜井。変態との闘いに一時間ほど経過した。

さすがの桜井も体がもう動けないほど、闘った。いかにスタミナが上昇しても耐久力が上がっても、攻撃力が上がっても、体は疲れる。

「くっ・・・・」
「おや?攻撃はもう終わりかね?」

桜井の攻撃が止んだことに恍惚とした表情を浮かべる変態。

「じゃあ、好きにしてもいいよね?」

変態はド変態になった。ド変態は桜井の足に触手を絡み付かせ、女子にとって一番、大切にしなければならない場所をド変態に触られそうになった

「イヤァァアア!」

叫ぶ

「助けてぇぇええ!」

ただ、叫び、助けを呼ぶしかなかった。

しかし、そんな助けを呼ぶ叫びが、伝わったのか、横の壁から、光の刃が、いくつも壁を切り裂き、桜井を絡み付かせ、掴んでいた触手を斬り飛ばした。

「間に合わなくて、すまん」

光の刃を出した張本人が桜井の前に立っていた。


―――――――――――――――――――――――


悪魔ヤシャマルを倒した、マコトはその場に気絶するように眠っていた。

ある程度眠り、休んだマコトは焔をおんぶし、セバスチャンに預ける

「セバスチャン。焔を頼む」
「マコト様は?」
「まだ、動けるから、とりあえず怪我人がいないかみてくる」
「分かりました」

焔をセバスチャンに任せたマコトは最近やってみたらなんかできた『縮地』を使って怪我人がいないか探していた。

すると、どこからの建物から戦闘の音を聞いた気がした。

どこの建物からなのか、探していると次は叫び声が聞こえた。

縮地を使い、叫び声が聞こえた建物につく。目の前には壁がある。マコトは思った。

(壁があるなら壊せばいいんじゃね?)

「『光魔法』コイン、乱れ斬り」

光魔法のコインを前方に投げた。するとコインから幾つもの光の刃が。

マコトは光の刃によって破られた、壁の中を潜り抜けていく。

すると、前方にでかいスライムと尻餅をついている桜井がいた。

「間に合わなくて、すまん」
「木城くん!」
「ああ?誰だね?君は」
「俺は木城マコトっていうものだが」
「ほう。まあ、そんなことはどうでもいい。貴様はな、私と彼女の大切な時間を無駄にしたのだぞ?許さん!よって死刑だ!」

スライムから幾つもの触手が槍のようにマコトに向かう

それをマコトは何か投げる素振りをした後、動かなくなってしまった。

ド変態は『勝った』と思い、マコトの体に突き刺そうと伸ばすが、マコトの体には届かなかった。

「あ?」

何かによって遮られているのだ。
マコトは、バリアを貼っているのだ。透明の。

ド変態は何度も攻撃するが、破れる気配が一切ない。実はこのバリア、魔力を流せば流すぶんだけ強力になるのだ。

「くぅ〜」

ド変態が何か唸っている。

「何故だ、なぜ破れない!」
「お前が弱いだけだから?」
「そんなはずはない!」

ド変態は触手を一つに纏めて、

「ギガァ、ショクシュ〜ブレイクゥゥウウ!」

何故そのネタを知っているのか知らなかったが、マコトはバリアの中でコインを作った。

「これが、ホントの!」

マコトはコインを握りしめ人差し指をたて、天に向かって突き上げる。

すると、人差し指を突き上げた拳に鉄のような鉱石が集まった。それはまるで、ドリルのようだ。

「喰らいやがれ、ド変態野郎!」

バリアが、パリンッと破れ、ショクシュドリルがマコトに迫る

「ギガァ、ドリルぅ、ブレイクゥゥウウ!!!」

マコトの拳のドリルが、キュィィイインと、音をたて、回りだし、でかくなった。迫り来るショクシュドリルを一瞬にして粉砕し、そのまま、ド変態の体にドリルをぶつけると、ド変態はドリルの回転力により、スライムの体にある心臓、魔石ごと、消滅した。

ド変態は死んだ。

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