《MUMEI》
第十六話
ド変態を倒した、マコトは再び、その場に大の字に倒れた。

「はぁぁああ〜」

疲れたのか、マコトは大の字になりながら、伊神に

「伊神ぃ〜、とりあえずド変態は倒せたから、石井達を治せぇ〜」
「う、うん!」

伊神はすぐさま、回復魔法『回光天』をつかい、石井達を癒していく。

桜井がこっちに近づいてきた。

「木城くん、助けてくれて、ありがとう」
「ん?ああ。まあな。無事で良かったよ」

マコトは感謝の言葉に簡単に返す。

しばらく、休んでいると治療班がきた。治療班の医者にきくと、もう闘いは終わっているらしく、生存者を探しているんだとか。治療班は石井達をみて、治療院に運んでいった。

マコトが立ち上がろうとしたときヤシャマルとの闘いで使い、今まで持続していた身体強化の効果が切れたのか、倒れてしまい、体に激痛がはしる。あれだけの闘いをして体に疲労が溜まらないわけがない。マコトは桜井と伊神が無事なのを安心して、意識を暗闇に落とした。


―――――――――――――――――――――――――

(ここから一人称視点)


目をさました。白い天井、白いベット、服装まで変わっており、ここはどこなのか、まったく状況が理解できずにいた。

体を動かそうとしたら、体に戦闘後の激痛よりかは収まった痛みがはしる。どうやら、筋肉痛になってしまったらしい。

体を動かそうとしたときの微動でベットにうつ伏せ状態にして寝ていた、桜井が起きた。美人だ。クールビューティーとでもいうのだろうか

「んぅぅう〜」

ん?美人がかわいい。ん、日本語がおかしいか?

「マコト?」

あれ、名前呼びになってる

「マコト?」
「えぇ、はい」
「マコト!」

と、名前を呼び、抱きついてきた。

数分後、落ち着いた、桜井はというと、隅っこで恥ずかしさのあまり体育座りをしていた

「桜井さ〜ん」
「・・・・・・」
「お〜い」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

沈黙。

「はあ、あの事は忘れるから、こっち向いてくれ」

俺の言葉を聞き、ゆっくりと振り返る、桜井。真っ赤だ。かわいい

「本当?」
「本当」
「本当に本当?」
「ああ」
「分かった」

あの可愛い桜井の事は忘れよう。

桜井はベット付近にある椅子に座り、俺が気絶した後のことを語ってくれた。

桜井曰く、治療班がまた来て、気絶した俺を治療院に運んだんだとか、桜井と伊神はその後、軽い手当てを受け、石井達の様子を見に行ったらしい。石井達の目が覚めるのは一日しかかからなかったらしい。目覚めた石井達は桜井と伊神に守れなかった事を謝ったそうだ。そして、俺にも謝ったそうだが、一週間目を覚まさなかった俺は気づかず、また後で、きちんと謝りたいといい、今は治療を受けているらしい。桜井は中々、目を覚まさない俺に付きっきりでいてくれたらしい。正直、嬉しい。

「ありがとう、桜井さん」
「桜井でいい」
「いや、しかし」
「私が許可してるんだよ?」
「・・・・」
「・・・・」
「さ、桜井・・・・」
「うん・・・///」

ん?、桜井の顔が赤くなったぞ?熱でもあるのか?

「なあ、熱でもあるのか?」
「さ、触るな!」
「ショック・・・・」
「ああ・・・そんなつもりじゃ」
「と、隙をついて」

桜井の額を触る。

「熱が、少しあるな」
「マコトのせいでな!////」

ますます、顔が赤くなったぞ。これは、どういうことだ?

「おーい」

顔を真っ赤にした桜井は病室から出ていってしまった。

「え?」

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