《MUMEI》 第三石『あっ、はい』 「貴様、何者だ?」 『旅をしていたゴーレムです』 「ゴーレムだとっ!」 ゴーレムって、珍しいのかな?と首をかしげる。 「これが、百年前まで生息していた最強の生命体なのか?」 「き、貴様、それはそうと、貴様の体に乗せているのは、ジン様ではないか?」 『え?』 チラリとジンをみる。視線を目の前の女性に向ける。女性は、武器を向けて威嚇していた。 首をかしげる。ジンってどこかの王子様? 『お〜い、ジンさん』 「ん?」 『こちらの女性は知り合いですか?』 「あ、ああ!マコト!」 どうやら、知り合いだったらしい 「知り合いというか、俺の五番目の妻だ」 五番目の妻、という台詞を聞き、それ以外にも妻が後、少なくとも四人はいることがわかり微妙な視線を向ける 「な、なんだよ・・・・」 『そんなに妻がいて、一人、旅をするとか。ジンさんって、実は最低なんですか?』 「わ、分かってくれるのか、ゴーレムよ。そう、この男はな、私たちに何も伝えず、毎回毎回、のらりくらりと、旅をしては帰り、旅をしては帰りの自由人なんだ。今回は五ヶ月も、家を開けたのだぞ!」 マコトさんと二人で絶対零度の視線を向ける 「なんだよ、リファル!お前まで俺にそんな視線を向けるのか!」 『ええ、家族との大切な時間を過ごさないんでね』 「そうだ!」 『まあ、別に、旅に行く、くらいはいいかもですよ。楽しいですし』 「リファル、よくわかってるじゃないか」 『しかしですね、奥さん方に旅にでるという連絡を伝えないというのは人として、なってないと思います』 「そうだ!」 「言い過ぎじゃないか(泣)」 『はあ、これからはきちんと旅に出るときは奥さん方に連絡しましょうね』 「はい(泣)」 『さ、豪邸?にいきますよ』 「では、私に着いてきてください」 マコトさんに着いていった。 『マコトさん』 「ん?」 『荷物、持ちましょうか?』 「いや、しかし」 『遠慮せずに』 「すまない」 マコトさんの荷物をもち、豪邸に向かった。 豪邸に行くためには坂を登らないといけないが、楽々でした。マコトさんにものってもらっている。 豪邸前に着いた 「ここが俺の家だ。名前はまだない」 『デカイですね〜』 「ふふん、そうだろう?」 「ジンは異世界から召喚された勇者だったの。で、こちらに住むことになって、丁度、金が余ったという理由でこの豪邸を作ったのよ」 『へぇ〜』 「え、リファル、それだけ?」 『?』 「んぁああ〜、もういい。入るぞ入るぞ」 豪邸の門が自動的に開く。 『すげえ』 「そこかよ!?」 門が一番最後まで開けると、豪邸の扉からからドタドタという音がする。正面玄関の扉がバンッと開くと金髪のゆるふわ系の女性と眼鏡をかけ、白衣をきた女性が、出てきた。 「ジ〜ンさ〜ん?」 「ぎぃやぁああ!」 肩に乗っていたジンが消えた。と、思ったら後ろに吹っ飛んでた。 「どれだけ心配したか・・・・・」 「ぎぃやぁああ、いやぁああ」 後ろで断末魔が聞こえた気がする。 「さあ、では行きましょう」 『あっ、はい』 「さ、では、ご案内します」 「ぎぃやぁああ!」 後ろでジンの断末魔が再び聞こえた。 どうやら、死んでなかったようだが、また、聞こえたので、何かあったのだろう 頑張れ 『そういえば、ジンさんに抱きついていたのは、』 「ああ、あれは、四番目の妻のコロナです」 『なるほど』 変形し、人型になる。 マコトさんが、目をキラキラさせながら見ている。変形が終わると、 「何ですか今の!」 『変形です』 「ボーーッ。あ、とりあえず、アルテナ様の所に案内しますね」 とりあえず、マコトさんに付いていく 前へ |次へ |
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