《MUMEI》
第五石
実験二では、水から魔石を抜き、蝋に入れます。こちらも、スライムになりました。一番良かったです。蝋のため、全体を暖めれば、形が変わり、固まるため、一番いい体でした。そのあと、ちゃんとゴーレムに戻りました。

魔石には自我はありません。俺は何故かありますが。何故だろう?

A.分からん

さて、ゴーレムに戻り、実験三つ目だ。ここでは何をするかというと、体に土をのせ丸く帯びさせることが出来ないか、挑戦する。

難しい。初期ゴーレムの体って凸凹が多いから、凸凹の所に、土を置いて整形しようと思ったのに。岩じゃないといけないのかな

と、悪戦苦闘していると、この実験のおかげで分かったことが一つ見つかった。それは、岩を使えば凸凹を無くすことが出来たのだ。硬い岩が粘土のようになり、整形できた。これのおかげで、某アメリカの鉄男みたいな体になった。ギミックはまだ、つけれませんでした。

部屋に戻った俺は、椅子に座り、休んでいた。ゴーレムだけど。眠さも何も感じないのは不思議だった。というか、自分が化物みたいで怖かった。

(あ、俺、ゴーレムだから化物じゃん)

既に化物だった件。怖さが吹き飛んだ気がする。

しばらく、休んでいると、部屋にマコトさんが入ってきた。

「リファルさん、リファルさん?」
『リファルですが』
「リファルさんですよね。良かった」
『少し体の形を変えましてね』
「なるほど」
『で、何の用でしょうか?』
「アルテナ様があなたと話をしたいそうです。着いてきてくれますか?」
『もちろん』

マコトさんに付いていく。あ、ジンの断末魔が聞こえた気がする。
マコトさんに付いていく。あ、また聞こえた。今度は謝罪の声だ。
マコトさんに付いていく。またまた聞こえた。助けを呼ぶ声が。

そして、聞こえなくなった。

『ちょっと、ジンさん、やばくありませんか!?』
「ジン様は今、説教を終えた頃です。気にしないでください」

いやいや、気にするでしょ。断末魔が聞こえたと思ったら、謝罪の声が聞こえて最後は助けを呼ぶ声。どう考えても異常。恐怖の館かよここは。

「着きました」
『へ?・・・は、はぁ』

着いた扉の名前は《アルテナ様の部屋》と書かれていた。書斎でいいんじゃ?

カチャリと、扉を開けると、アルテナさんと知らないイケメンがいた。

「リファルさん、此方にお座りになって」
『はい』

アルテナさんに、促されたまま進む。

「この度は主人がご迷惑を御掛けしました」
『へ?』

イケメンとアルテナさんが頭を下げる

「すまなかった、リファル」

え、ジンと声が似てるんだけど。いやいや、まさかね。このイケメンがジンとかねえ。

(嘘だ嘘だ。あんな老けた顔が何故、こんなイケメンに変わるんだ。あれか?髭が凄かったから老人と錯覚していたのか?そういえば、25歳とか言っていたけど、あれは本当だったのか?)

『あ、あの〜そちらの青年さんはまさか』
「ええ、そのまさかです。ジンです」

悲報。ジンさんはイケメンでハーレムしていて、しかも、旅に出ても妻たちに連絡をしない、ダメ人間だった。

少しは希望があるダメ人間かと、思ってたけどあれは幻想だったか。

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