《MUMEI》
第十九話
一段落ついた俺達は、桜井と朝木からとんでもない情報を聞いた。

「実は昨日の夜、桜井と俺は王の自室近くに行ったんだよね」
「何故?」
「悪魔襲撃の二日ほど前だったかな。王が、日陰の場所で、何やら魔方陣を書いていたんだよ」
「へぇ〜魔方陣ねぇ」
「最初は何をしているのか分からなかったけど、悪魔襲撃の事件後、どういった魔方陣を書いてあったのか桜井を連れて見に行ったんだよ」
「魔方陣を見てみたけど、知らない魔方陣だったから、図書館から本を借りて見たわけ。すると、悪魔召喚の魔方陣だったんだ」
「桜井も見たのか?」
「うんうん」

王が悪魔召喚の魔方陣を?何故だ?悪魔召喚しても利益がないはず・・・・

「あの王ってこの国を悪魔の襲撃から守った英雄なんだっけ?」
「悪魔の襲撃から守った英雄?」
「ああ、実はここ最近、図書館で、悪魔に関する事件とかを調べていたんだけど、その中にこの国の王は悪魔から国を守った英雄として、知れ渡っているらしい」

だからといって利益がないはずだがな

「そういえば、王の息子が、悪魔の一体を倒して英雄になっているそうよ」
「俺、悪魔二体を倒したけど」
「マコトは異常なだけよ」
「桜井、そりゃ、ないぜ」
「で、その息子の現状は?」
「桜井さんを探してたよ」
「まなみん、マジかよ」
「マジ。王の息子っていう服装の子供、大体、中学二年生くらいの子が、桜井さんは何処ですか?、と必死になって探してた。正直、気持ち悪かった」
「ええ〜」
「あ、その息子の腰に奴隷の首輪っぽいのが見えたから、気をつけてね」
「う〜ん、じゃあ、桜井。ほら、これを何枚か渡しとく」
「このコインは?」
「『無効魔法』コインっていう、あらゆる魔法を無効、キャンセルするコインだ。これは特別製でお守りがわりに持っておけば魔力を流さなくても、使える。一回使ったら消滅するが、持っておくだけなら消滅しない」
「魔力を流す?」
「その話はまた今度」
「詠唱いらずで、魔法を扱えるってことじゃ?」
「それ、便利!」
「いやいや、魔方陣はどちらにせよ、必要だぞ?」
「杖を持つ、持たないとか、詠唱する、しないのでは相当違うよ!」
「なあ、木城。教えてくれないか?」
「えぇ・・・はぁ、了解」

てなわけで、魔力の操作方法を教えることになった

数時間後、皆、魔力の操作を身につけたようだ。やっぱり、みんなチートだった。

「楽々だな、これ」
「簡単に魔法が使えるようになったよ!」
「よかったな」

感覚を掴めば簡単に出来るようになる。なぜ、こんな簡単な技術を持っていないのか分からないが、この話は秘密にすることにした。

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