《MUMEI》
組分けにご用心
組分け帽子は歌い続ける。

『__グリフィンドールに行くならば 勇気ある者が住う寮
 勇猛果敢な騎士道で
 他とは違うグリフィンドール

 ハッフルパフに行くならば
 君は正しく忠実で
 忍耐強く真実で
 苦労を苦労と思わない

 古き賢きレイブンクロー
 君に意欲があるならば
 機知と学びの友人を
 ここで必ず得るだろう

 スリザリンではもしかして
 君はまことの友を得る
 どんな手段を使っても
 目的遂げる狡猾さ

 かぶってごらん!恐れずに!
 興奮せずに、お任せを!
 君を私の手にゆだね
 (私は手なんかないけれど)
 だって私は考える帽子!』

帽子は、歌い終わると4つのテーブルにお辞儀をして静かになった。

(むう……オレはさしずめスリザリン。嵐山さんは絶対グリフィンドールだわー)

マクゴナガル教授は羊皮紙を広げる。

「ABC順に名前を呼びますから、帽子を被って椅子に座り、組分けを受けてください」

……ABC順……「あ」から始ま…………

……千佳ちゃん、ドンマイ☆

「アマトリ・チカ!」

千佳ちゃんは、2番手にしては堂々とした足取りで椅子に向かう。

千佳ちゃんが帽子を被った瞬間、帽子は叫んだ。

『レイブンクロー!』

准が呼ばれる。

『グリフィンドール!』

春秋も呼ばれた。

『レイブンクロー!』

それからハーマイオニーが呼ばれた。

『グリフィンドール!』

遊真が呼ばれる。

『ハッフルパフ!』

ネビル。

『グリフィンドール!』

……グリフィンドールの比率おかしい。
その次は、汽車の中で知り合ったフォ……フォイフォイ?とかいう奴。

『スリザリン!』

修。

『グリフィンドール!』

秀次。

『スリザリン!』

遂に、ハリーが呼ばれた。

大分長いこと経って、帽子は叫んだ。

『グリフィンドール!』

オレが呼ばれる。
帽子を被ると、帽子が語りかけてきた。

『ふむ、君もなかなかに難しい……グリフィンドールでも、ハッフルパフでも、レイブンクローでも、スリザリンでも、どこでもやっていける』
「オレはどこでもいい。ただ__」

帽子は、オレの想いを汲み取ってくれた。

『ほう、それならば……スリザリン!』

一番右のテーブルから上がる歓声。

席につくと、さっきの……マルマルだっけ?フォイフォイだっけ?が握手を要求してきた。

その要求に応えてから、上座に目をやる。

響子が呼ばれる。

『レイブンクロー!』

真史が呼ばれた。

『グリフィンドール!』

充が呼ばれる。

『ハッフルパフ!』

残る組分けはあと3人。

ターピン・リサはレイブンクロー。
ロンはグリフィンドール。
残ったザビニ・ブレーズはスリザリン。

さーて、どうしたもんかなぁ……?

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