《MUMEI》

彼女は何か言いたそうに口を開きかけてやめた。代わりにもうぬるくなったカフェオレをすする。

俺だって別に本気で怒ってるわけじゃない。ここまでしつこく彼女の遅刻を責める男なんて、そもそも恋人ができる確率が地下に陥没して地球の裏側までいってしまったような人間だろう。
つまりアレだ。これもひとつのスキンシップ。愛情表現。一種の前戯なのである。
まぁ俺のS心が刺激されてこんなにも長い問答になってしまったり、全く彼女にこの愛情が伝わっていないのは否めないところではあるが。

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