《MUMEI》 第三話「なあなあ、勉強教えてよ、忍くん」 理系の俺は数学だけ、彰兄さんに教材を借りて、高校三年生の範囲やり遂げている。そのため、数学だけ彰兄さん、千尋姉さん、友達に教えられる。国語は授業中に起きておけば、問題なく十分な点数は取れるだろう。 「また、今度じゃ駄目ですか?」 「駄目!」 「俺、説明下手ですよ?」 「それいったら内の高校の教師はドがつく下手になるよ」 どれだけ、解説が酷いのだろうか。単に授業中、寝ていて話を聞いていないだったら、分かるよ。ちゃんと、起きていてこの言われようはなんだろう。 「なあ、頼むよ」 「分かりましたから、分かりましたから、あの、腰に抱きつかないでください」 「やった!」 スバルを連れて、春風さんに数学を教えることになった。千尋姉さんは隣で、スラスラ問題を解いている。 「だから、こうで、こうなって」 かれこれ、一時間がたち、春風さんが苦手だった問題の解説を終えた。 「助かったよ、忍くん」 「春風さんの役に立ててよかったです」 「うふふ」 春風さんに別れを告げ、自室に戻る。 『で、スバル。何かあった?』 『ええ。どうやら、人型の化け物が出たそうです』 『どこに?』 『富士山にです』 『遠くない?』 『しかし、もう倒されたようですよ?』 『まさか、EHに?』 EHとは、アメリカに本部を置き、化け物に対抗するために作られた秘密結社らしい。日本にもある。秘密結社というわりにはEHの名は広がりつつある。 EHには特殊な能力をもつ者が、多数いる。火を操ったり、瓦礫を浮かばせたり。様々だ。俺は、EHに一回だけ、会ったことがある。顔にはマスクをしていたから、ばれていないと思う。そうだと、いいな。EHの奴等、俺を何故か凝視すると襲いかかってきた。ある者は光速で動き、ある者は両手を刃物にして。合計五人だったと思う。攻撃を全てよけ、ボコボコにしてやった。攻撃が皆、もの凄く単純で容易く避けられる。糸を出さずとも勝つことができた。EHの奴等、すごい顔で驚いていた。特に光速で、動く奴は。俺には光速で動いてもそれ以上の速さで動ける。時が止まっているなかを歩いているみたいな感じ。これは別に特殊な能力ではない。身体能力です。多分。あの有名な蜘蛛男の上位互換みたいな感じ そんなこんなもあって、スバルを拾い、今はスバルと共に化け物を狩っている。 化け物にも敵意がある奴と、ない奴がいり。なのにEHの奴等は全て、狩ってしまう。俺はそんな化け物が可哀想だと思い、敵意がある奴は殺し、敵意がないやつは保護している。 「忍くん」 春風さんが部屋に入ってきた。 「スバルと見つめあって、どうしたの?」 「え、えっとぉ・・・・。なんか、スバルがさっきから、ずっと真顔で見てきたからにらめっこしてました」 「あはは、忍くんはおもしろいね」 「そうですか?」 春風さんが爆笑してる。腹を抱えて。 「で、春風さん。どうしたんですか?」 「ん〜とね、この問題を教えてほしいなって」 「またですか?」 「嫌なの?」 ウルウルとした、瞳でしかも、上目遣いで見てきた。 「うっ・・・・分かりましたよ」 「ありがとう、忍くん!」 先程までの表情を変え、嬉しそうに笑う で、結局、最後まで付き合わされた。 前へ |次へ |
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