《MUMEI》
スネイプ先生は優しいです。
食事の後は、いくつかの注意事項を聞いてから寮の監督生に連れられて寮へ向かった。

寮の自室に置かれた荷物の中から、トリガーとノート、それとノートパソコンを引っぱり出す。
ちなみにドラコと秀次と同室だ。

「ケン、ホグワーツじゃマグルの機器は使えないぞ」
「あー……このパソコン、オレが改造して魔力で動くようにしたんだ」

もちろん嘘だ。
これはボーダーの支給品である。
つまり、トリオンで動くパソコンだ。

「それは法律違反じゃ……」
「マグルの中で暮らしてた時に改造したから魔法省の法律とか分っかんない!」
「なら仕方ないな!」

ドラコってチョロい。

ドラコ……チョロい……

チョロい……ドラコ……

……ハッ、チョロコ!!←

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

翌朝は、割とすっきり目が覚めた。

シャワーを浴びて身支度を済ませ、談話室へ行く。
そこには寮監のセブルス・スネイプ教授がいた。

「おはようございます、スネイプ教授」
「ああ……おはよう、ミスター・サトリ。なかなかに早いな。よく眠れたか?」
「はい。ベッドが柔らかくて、とても寝心地がいいです」

これは事実だ。
ドラコは昨日、ベッドに沈んで2秒で寝た。

スネイプ教授に座るよう促されたので、とりあえず隣に座らせてもらって問題ノートを開く。
遊真の珍回答へのツッコミ兼赤ペン先生だ。

[問.「しいて~」を使って文を作れ]

[答.ここにマットをしいてください。]

(違う!!正しいけど違う!!)

[問.“I live in Osaka.”を過去形にして日本語で答えなさい]

[答.私は天下の台所に住んでいました。]

(うん合ってる!!けどね!!違うよ!!)

[問.酸とアルカリが互いの性質を打ち消し合う化学変化を何と言うか、漢字2文字で答えろ]

[答.全滅]

(何でやねん!!全滅してへんわ!!)

久々に請け負ったもんだから死ぬかと思った。

スネイプ教授がいなかったら叫んでたかもしれない。

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