《MUMEI》

「もしかしなくても、退屈?」

「退屈じゃないよ」

ホントは退屈だけど、ね。ここで言っても仕方ないし、この人が私の退屈を解消してくれるわけでもない。
勝手におしかけて邪魔をしてるわけだから、私にそんなことをいう権利はない。

でもさぁ。

せっかく久々にあったのに、その態度はないんじゃないの。
だいがくせいってそんな忙しいのかな、じゃあ高校生なんかと付き合わなければいいのに。

一生懸命机に向かっている後ろ姿、男の人にしてはちょっとだけ細いけど大好きな背中。

不意に抱きつきたくなった。

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