《MUMEI》 迅悠一は浄化されました。【サイドエフェクト】 “副作用” の意。 高いトリオン能力を持つ者は、トリオンが脳や感覚器官に影響を及ぼし稀に超感覚を発現する場合がある。 それらを総称して【サイドエフェクト】と言う。 但し、発現しうる能力はあくまで人間の能力の延長線上のものである。 発現のメカニズム及び、どのような条件・状況下で発現するのかは不明。 <情報開示レベル B級以上> __界境防衛機関ボーダー 機密情報ファイル “トリガーとトリオンの関係” より抜粋 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 「賢も遂にサイドエフェクト組の仲間入りか……」 嵐山さんのため息。 迅さんはその後ろで苦笑いしている。 「肌と肌が触れると発動するサイドエフェクトらしい。ちなみにトリオン体でも有効だったぜ」 「「「うわあ……」」」 「ねぇ今一番その反応したいのオレなんですけどねぇねぇ」 明らかにオレよりも面倒そうな声を上げる3人。 ツッコミを入れると、3人はぴたっと黙った。 「そうだ、佐鳥。今日は玉狛に来いよ」 迅さんからの突然のお誘い。 折角だから行ってこいと嵐山さんに言われて、オレは迅さんと一緒に玉狛に向かった。 玉狛でオレを待ち受ける “あること” に、気づきもしないで。 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 「あ、迅さん!お帰りなさい!」 支部に戻ると、お客さん用のスリッパを用意してメガネくんが出迎えてくれた。 なんてデキる後輩なんだ……!!とおれが感激していると、後ろから千佳ちゃんが顔を覗かせる。 「さ、佐鳥先輩……ですかっ?」 「雨取さん?あ、そういえば玉狛だったね」 千佳ちゃんの頭を撫でる佐鳥。 その笑顔は、『ほんわか』とか『ふわふわ』なんていう形容詞が似合うぐらいに穏やかなものだ。 おれが笑っても所詮『ニヤッと』とか『不敵に』ぐらいの形容詞しか似合わないけど、こいつは違う。 『ふんわり』、『日だまりのような』、『優しく』、『柔らかく』、なんて、かわいらしい形容詞が並ぶような笑顔だ。 __速報。 おれの弟は、天使だった__。 「うわああ!?迅さん!?鼻血!!鼻血出てますうううう!!」 「ていうか立ったまま気絶してない!?」 「レイジさーん!!」 その瞬間、玉狛は大混乱に陥ったのだった。 (by レプリカ先生) 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |