《MUMEI》
プロローグ〜白き少女〜 1
僕と彼女が出会ったのは、とても不思議な……いや、とても不気味な場所だった……

空では月と太陽が目まぐるしく駆け巡り、何度も朝と夜が訪れている

時には月と太陽が重なり、昼夜を問わず暗くなったりもした

また、辺りでは草木が枯れたり、生い茂ったり、何度も脱皮を繰り返す巨大な蛇が闊歩したりしていた


『うわぁ!?』


僕は、その光景に思わず腰を抜かしてしまった


『うふふ、面白い所よね……』


そして、いつの間にか、僕の傍らには一人の少女が、尻餅を着いている僕と視線を合わせるようにしてしゃがみ込み、頬ずえをつきながら、いたずらっぽい顔でこちらを見ていた


その少女は、やけに白かった……

腰まで伸びている髪の毛はもちろん、肌も、まるで日の下に出たことが無いんじゃないかと疑ってしまうくらいに白かった

しかし、ただ唯一、目だけは赤かった

そして、それでいて、彼女は今まで見たこともないくらいに綺麗だった……

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