《MUMEI》 第六話どうしよう。二人がこちらを凝視してくるんだけど。嬉しくない。 すると、遠くから戦闘音がまた聞こえてきた 「ん?またか」 俺は足に糸を巻き付け、敏捷力を上げる。 『縮地モドキ』 糸を脚の筋肉に沿って巻き付け、念をさらに足に注ぎ込むことで瞬間移動のような動きができる、移動法 戦闘音が聞こえてきた場所に移動すると、そこには幾人かのEHの戦闘員達が。その中に、春風さんがいた。 何故だろう。春風さんは指揮を取っている。あっ、倒れた。あれはヤバイな。 EHの戦闘員は超能力を使えるが、集中力が必要だ。混乱しているとき、焦っているとき、能力は使えない。 『縮地』 瞬間的に移動をし、化け物からの攻撃から守る。 春風さんの目が大きく開いた。 「形状:剣」 包帯が剣の形に。 「『縮地』:粉砕剣:壱の型」 縮地で、化け物の顔前に移動し、剣を突き出し、そのまま、突っ込む。 『粉砕剣:壱の型』 どんな敵でも一点に集中された力を防ぐことはできない。 粉砕剣はこれまた、じいさんに教えてもらった。じいさんスゲー。 突っ込まれた、化け物は為す術もなく、体に穴を開けながら、前に倒れる 誰もが呆然としている。その場にいた、EHの隊員達も、春風さんも。遅れてきた、シャロ達も。 「一撃・・・・」 必殺技ではない。ただ、突っ込んだだけだから。 「大丈夫ですか?」 春風さんに手を差し伸べる。 「ッ!!」 すぐに、警戒体勢をとる、春風さん。春風さんは黒いスーツを着ていた。 「あなたは?」 「んー、人間」 「人間?それは名前じゃないでしょう」 「言わない」 「ふーん、言わない、ね」 言うわけないでしょうが! 「質問を変えるわ。今のは何?」 「言わない」 「答えになっていないわ。今のは何?」 「言わない」 「言わないで、済むと思っているの?」 「知らん」 断固拒否させてもらう。 「貴方、今の状況が分かっているの?」 春風さんが手を上げると先程まで呆然としていた隊員達が、銃口を向けてきた 「分かっている」 「いいえ、分かっていないわ。私のちょっとした合図で貴方を蜂の巣に出来るのよ?」 「なら、やってみろ」 春風さんの手が下がる。一斉に始まる、銃撃。音速で飛んでくる、弾だったが、ゆらゆらと幽霊のようにかわしていく。その光景はまるで、一つ一つの弾が全て見えているのかのよう。 銃撃が止む。弾が無くなったのだろう 「で?」 「ッ!?」 挑発。 「分かっていないのはお前らだ。お前らでは歯が立たなかった敵を一撃で倒した相手だぞ?あの化け物に歯が立たなかったお前らに俺が倒せるとでも?」 「クッ!?」 苦々しい表情を見せる。 「話すことはもうないだろう。じゃあな」 そう、セリフを言い残し、去った 前へ |次へ |
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