《MUMEI》
第二十一話
悔しがっている王子は俺を痛め付けようと、迫ってきた

「『バリア』」

緑色の壁が王子の顔前に。

「グハッ!?」

ズルズルと、落ちる王子。実に惨めだ。

「とりあえず、王子に訳を聞いてみるか」

ということで、王子に今回の事件の詳細を教えてもらうため、『悪夢コイン』で何度もマッチョな男が襲ってくる、地獄を見せた。簡単にいうと拷問である。

「さて、王子さん」
「はい、何でしょうか」

悪夢を見すぎたせいか、口調ともに表情がおかしい。

「訳を聞こうか」
「あなたに色んな夢を見せつけられ、こう、なっちゃいました」
「いや、今の貴方の状況じゃなくて、なんで桜井を襲おうとしかのかについてだ」
「ああ、あれは、一目惚れってやつによる物でしょう」
「でしょうって、今は違うのか?」
「ええ。今は貴方にしか興味がない」

キモい。悪夢見せすぎたかな〜?

「まあ、いい。帰れ」
「そ、そんな。こんなにも貴方にこの体を捧げたいと」
「捧げるの意味、間違えてない?」
「いいえ」

あ、もう面倒だ。眠らそう。『睡魔』コイン。眠気が襲ってくるだろう。ジワジワと。

「あ、ああ、マコトさぁん♪」

バタリ。寝たようだ。

これにて一件落着。

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