《MUMEI》
第七話
少し時間が飛び、翌日の昼過ぎ。

街をブラブラと暇潰しをしていると、ある老舗の店でシャロとかいう子と、春風さんがいた。

「いらっしゃいませ〜」

カランカラン、と音を立て、店に入る。白髪のおじさんのコーヒー牛乳はうまい。

「何名様でって、しのくんじゃない。いらっしゃい」

人数を聞いてきた、女性は白髪のおじさんの娘、柳 七海(やなぎななみ)さん。

「春風さん。しのくんが来たよ!」
「え、忍くんが!?」

バッと此方を振り替える、春風さん。

「どうも」

春風さんに、挨拶をする。

「マスター、コーヒー牛乳一つ」
「おお、忍くんじゃないか。いらっしゃい。コーヒー牛乳一つね」

ここでは白髪のおじさん、柳 達郎さんの事をマスターと呼ぶことが当たり前。

「春風さん、隣の方は?見ない方ですが」
「あ、ああ。シャーロットのこと?」
「外人なんですか?」
「日本語上手いんだよ」
「天才ですね」

苦笑い。

「シャーロットさん、僕の名前は松川 忍と言います。よろしくお願いします」
「あ、どうも」

昨日の赤髪ではないが、間違いなくシャロと呼ばれていた少女である。

「で、お二人は今、何を?」
「聞いてくれるかい?」
「いえ、やっぱり止めときます」
「なぁあんでぇええ!」
「やっぱり、聞きます」
「うん、それでよし」

めんどくさい。

「実はね、勉強の事なんだけど」
「はあ」
「溜め息つかないで。シャーロットに教えようとしても、中々上手く説明できなかったわけ」
「そこに、僕が現れたと」
「そういうこと」
「つまり」
「つまり?」
「勉強、教えてあげてくれない?」
「何故、僕が」
「だって、シャロは、中学二年っていうじゃん」
「同級生ですね」
「だからこそ」
「ええ〜」
「頼むわ。チョコパフェ奢るから」
「仕方ないですね」
「それでこそ、忍くん!」

普通は断るが、チョコパフェを奢ってもらえるから。

「では、シャーロットさん、お願いします」
「シャロでいい」
「はい?」
「言いづらいでしょ、シャーロットって一々、言うの」
「いえ、そんなことは」
「シャロでいいよ」
「分かりました。シャロさん、よろしくお願いします」
「お願いします」

と、勉強を教えることになった。
数時間が経過しただろうか。外は暗闇だった。

「やっと、終わりましたね」
「うん」
「さすが、忍くん」
「では、約束通り、パフェを」
「分かってるって。マスター?パフェ!」
「あいよ」

数分待たされ、パフェを持ってくるマスター。そして、何かしら書かれた小さい紙。もしかして、ここもEH?

笑えない。丸腰で入ってるんだもん。ま、糸を生み出すことができるから別に良いけど。

「はい、お待ちどう。チョコパフェだよ」

マスターはチョコパフェに視線を集中させ、春風さんに紙を渡した。俺は見逃さない

「ありがとう、マスター」
「いやいや」

うん、やはり、マスターのチョコパフェはうまい。あ、そうだ、少し悪戯でもするか。
そう思って懐からスマホのような機械を取り出した。

『タッタラタッタッタ〜、"混乱ウィルス"〜〜〜』
混乱ウィルスとは、スマホの形をした機械で、近くにある電子機器を操る事ができる。情報を混乱させるのに、適している。

ピッという音と共に電源が入る。ハイジャック、情報の流出、情報の操作ならこれで全て解決。範囲は半径2km。

画面に携帯の表示がいくつも出る。さらに、近くの施設のカメラやドアなども。例えば、表示されたその内の一つをタップ。携帯の着信履歴などの個人情報が写し出される。とても、危険な道具なのだ。

さて、今回はマスターには申し訳ないけど、この店、乗っ取らせて貰おう。

素早く操作をする。まず、扉が開かないように。老舗なのになんで、扉が自動ドアなんだか。ま、そのお陰で操れたけど。

次はこの老舗の地下に通じるエレベーターの強制終了。これで、外には出られまい。
「用が出来たから、忍くん、ごめんね。ちょっと行くね」
「あ、分かりました」

シャロも春風さんに続く
春風さんが、扉に近づく。ドアノブを取り、開けようとする

「くっ、扉が開かない!?」
「え?」

わざととぼける、俺。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫