《MUMEI》
プロローグ〜白き少女〜 4
『うっわ!?』


僕はまた腰を抜かした


『ふぅ〜……あら?ごめんなさい、大丈夫?』


少女はそう言って、目尻を拭いながら、また僕の手を取ってくれる


『は、はひぃ〜!』
『くくく……ちょ、ちょっと!もう笑わせないで!そんなにビビらなくたって何もしないわよ!』


少女は少し怒ったように、頬膨らませながら言った

か、可愛い……

僕は少し赤くなって、少女から目を逸らす


『何よ……?』


少女が半眼で此方を睨んでくる


『な、何でもないです……』


僕がそう言うと、少女は疲れたように溜め息をついた

『はぁ……敬語もやめてちょうだい……今まで通りでいいのよ?』
『わ、わかりまひぇひぇひぇ!?いひゃい!?』


痛てててっ!

少女が、またとっさに敬語を使おうとした僕の頬をつねってきた


『私の言うことを聞かない口はこれか?んん?えいっ!えいっ!』


『いひぇひぇひぇ!ごめんなひゃい!ごめんなひゃい!』


ち、千切れるっ!

……暫く僕の頬をぐにぐにしたあと、少女は満足したのか僕の頬から手を離し、此方を睨んで言った


『もうっ……次はないわよ?』
『う、うん……』

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