《MUMEI》
プロローグ〜白き少女〜 5
『んんっ……』


そして、少女は気を取り直すように咳払いをして、言った


『そう……私はあなたが言うとおり、死んだ神よ……』


死んだ神……何だか壮絶そうだ……

……ん?そういえば、何で僕はここにいるんだろう……?

僕は神様じゃないし、ましてや死んでもいないのに……


『何か釈然としないって顔をしてるわね?』


少女……もとい神様が僕の心情を言い当ててくる、これも神の力なのだろうか?


『……神の力じゃないわよ?』
『えっ!?』


神様がいたずらっぽく笑う


『ふふふ、言ったでしょう?顔に出てたって……まぁ、今みたいに、あなたの心なら読むことが出来るのだけれど……』
『ちょっ、ちょっとやめてよ!……って僕なら?』


僕が聞き返すと、神様が一瞬目を伏せたようにみえた

『……そう、あなたならね……』


僕には、不思議と、神様にそれ以上聞くのを躊躇われた


『……それで?何か引っかかる事でもあったかしら?』
『うん……何で僕はここにいるんだろうって……僕は神様じゃないし、死んでもいないのに……』


神様が再び眼を伏せたように見えたのは気のせいじゃないだろう……何だか嫌な予感がする……

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