《MUMEI》
プロローグ〜白き少女〜 9
『神はね……少なくとも私はそうなのだけれど……人が信じるから生まれるの……』
『人が信じるから……つまり、君が生まれたのは、僕が君を信じたから……?』


神様が頷く


『そう……といっても、そんなに大層なものじゃないのよ……』


神様が自虐するように肩をすくめる

『あなた……どうしても叶って欲しい事がある時、しかもそれが、運に頼らざるをえない時、どうする?』
『どうするって……そりゃ、神頼みを……って、あっ!』
『それ……一体どんな神に頼んでいるのかしら?』


た、確かに……適当に頼んでた気が……ってあれ?


『まぁ……簡単に言うと、その神頼みの時に頼ってた神が、あなたの場合は私ってわけね……ってどうしたのよ?』
『いや……僕って具体的にどんな時に神頼みしてたかなぁ?って……』
『なにそれ……?ん……?あぁ、そういうことね……はぁ〜……』


何だか神様が一人で納得している

というか……何で溜め息!?

僕が悪いのか!?

『な、何だよ……?』


神様が、何だか全てがどうでもよくなったみたいに、力なく、再び倒れ込んだ


『何でもないわ……』
『何でも無いことないだろ……』

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