《MUMEI》
プロローグ〜白き少女〜 11
『ほら……僕が、具体的にどういう時に神頼みしてたかなぁ?って言った時……』
『……あぁ、そのことね……』


神様が天を仰ぐ……何かシュールだ

『……あなた……記憶が消えかけてるのよ……』
『き、記憶が……?』
『えぇ……試しに、生きていた時の事を思い出してみなさい?』


……生きていいた……時のこと……?


『あぁ〜!もうっ!あなたの家族の事!友人の事!生活習慣の事!あなたが死ぬ間際の事!……色々あるじゃない!』
『うおっ!……そんなに怒鳴らなくたっていいじゃないか……』


家族……あ、あれ?僕って何人家族だっけ?

友人……どんな人がいたっけ?

生活習慣……というか僕は何をして生きていたんだ?学生?社会人?

僕は死ぬ間際……何をしていたんだ……?


神様が僕の様子を見て、溜め息をつく


『……思い出せないのね?』
『う、うん……』

神様が頭痛を振り払うように頭を降る


『……やっぱりダメか……はぁ〜……』


んん?何が?


『……そういえばあなた、記憶がなくなってる事には大して動揺しないのね?』
『……そ、そうだね……』
『うふふ……やっぱり変な人』


ど、動揺してないのかな?

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