《MUMEI》
プロローグ〜白き少女〜 12
『そ、それで……何か僕の記憶が消えるとマズい事でもあるの?』


バチンッ!


『痛いっ!』


デコピンされた!
何で!?


『少しは頭を使いなさいよ、あなたがさっき自分で言ってた事を思い出しなさい』


さっき……?

な、何のことだ……?

バチンッ!

『痛ぅ……』
『もうっ、鈍いわねぇ……消えるのよ……私が……』
『き、消える?どうして?』
『何言ってるのよ……信じる者が居なくなれば、神は消える……あなたさっき自分で言っていたじゃない!』
『い、いや……でも君はもう死んでるわけで……また消えるの?』
『……あぁ、なるほどね、そういう勘違いをしていたのね……』
『勘違い……?』

神様が『そう!』と指を立てる


『死ぬって言うのは二段階あるのよ……先ず肉体の死、次に魂の転生……今あなたは一段階目と二段階目の間の状態なのよ』
『う、うん……?』


僕は神様の言わんとするところを測りかねて、首を傾げて先を促す


『つ・ま・りね?あなたは肉体が死んだだけで、魂はあなたのままなのよ』

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