《MUMEI》 第十話翌日 春風さんが来た。眼鏡をかけた人を連れて。千尋姉さんと一緒にもてなす。茶をだして、菓子(手作り)を出す。また、勉強会でもするのだろうか。 自室に戻った。MMORPG『マイスタイル』をやっている。 数時間が経過した。ドアがノックされた。 「はい」 「やあ、忍くん」 「何でしょうか?」 「何でしょうか、じゃないでしょう?」 「?」 「昨日、殺しあいをしたじゃない」 「殺しあい?」 「まあ、いいわ。今日は貴方に話があってきたの」 「はあ」 春風さんはそう言うと、バッグから紙を取り出した。 「EHに入らない?」 は?なにいってんの、この方は 「何故?」 「貴方がほしいから」 「嫌です」 「そう。理由は?」 「スバルを狙う、秘密結社に入りたくはありません。どうせ、入ったら、スバルを研究材料に使うか、殺すんでしょう?」 「もち」 「スバルは殺させません」 「貴方にスバルを守れるだけの力があると?」 「はい」 しばらく、黙り混む、春風さん。 「何度も言うけど、スバルは化け物なのよ?」 「だから?」 俺の一言に驚いたみたいだ。 「だからって、化け物は悪なのよ?」 「例外はあります。スバルのような」 驚愕している。 「私はね、両親を化け物に殺されたの」 「御愁傷様です」 「私は、私と同じような経験をさせたくないの」 「だから、何が言いたい?」 「スバルを殺す「させない」、わ」 殺意を目に宿らせ、春風さんを脅す。腰を抜かす、春風さん。 眼鏡をかけた人がスタンガンを持って突っ込んできた。 春風さんがニヤッと笑う。演技だったのだろう。 スタンガンが体に触れた。 「ビリビリ」 平然としている、俺。驚愕している春風さんと眼鏡。 流れた電流はいつの間にか体に巻かれていた糸に流れている。ゆっくりと、体に帯電させる。この行為をすることで、雷に耐性がつく。 前へ |
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