《MUMEI》
孤高の冒険者 1
「ギギャギャッ!ギャ!ギャ!」


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

くっそ!くそっ!くそっ!くそっ!

いったい、どこまで追いかけて来るんだコイツら


「ギギャ!ギギャ!」
「ギャギャ!ギャギャギギ!」
「グギャギャ!ギャギャ!」

「死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!」

「ちょ、ちょっと!よ、余計な事言ってないで、この状況を何とかする方法を考えなさいよ!」

「う、うるせぇ!い、今考え中だ!お、お前こそなんか案出せよ!」

「う、うるさいわねぇ!い、今考えてるところよ!」

「グギャギャ!ギャギャ!」


そうこう話してる内にも、あの醜悪な奴らは追いかけてくる


しわくちゃな顔に、やけに大きな鉤鼻、ギョロリとした目に、ギザギザの歯……

……そう、ゴブリンである


「……もーっ!そもそもあんたが、アイツらにちょっかい掛けたのが悪いんでしょ!?は、早く何とかしなさいよ!」

「なっ……!お、お前だって最初はやる気だったじゃねーか!?」

「わ、私が乗り気だったのは野良のゴブリン退治!ま、まさか、あなたが突然巣を燃やし始めるほどの馬鹿だったなんて思わなかったわ!?」
「な、なんだとーっ!?」

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