《MUMEI》
俺が人間界に居る訳。
何で俺がこんな羽目になるんだ。

親父が失踪して俺が長になった。問題もなかったし、上手くいっていた。

なのに…。

人間界で生活しなければいけないんだぁ!


それは数カ月前…。


「はぁ?人間界で生活しろと?」

俺の兄貴は昔から頭一つ抜けている。兄貴は人間で、親父の養子として来たらしい。

「しょうがないよ。だから、明日から人間の高校に通ってくれって」

「何で明日なんだよっ!意味わかんないですけど!?」

いっつもこれだ。兄貴は人間の大学に通ってて、屋敷には俺と執事とメイドしか居ない。偶に帰ってくるといえば、俺が被害に遭うものばかり。

「これだけは!ちゃんと飯もやる。勉強も教える。だからぁぁ」

飯…。というと、俺達吸血鬼の飯といえば、血のみ。俺の場合は、兄貴のこともあるから、食べ物は食べれる。

「………期限は?」

そしたらとどうしたと思う?ぱぁっと顔を明るくして“ありがとう”と呟いた。

「期限は未定なんだ。暫くの間、人間界で生活してもらうことになった」

………え?未定?暫く?

「それって、一生?」

「かも、しれない」

「………はぁぁぁ!?」

吸血鬼界全域に俺の声がこだました。

俺は暫く人間界に身を置くことになった。

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