《MUMEI》

「ひいてるとかじゃなくて、何?」

咎めるような、諭すような、不思議な声音。
俺の目は完全に泳いでいたはずだ。思わず視線をそらし、横に設置された紙ナプキンをいじってみる。

「や、別に反感とかはねぇけど。だってさお前は、」

「お待たせしました〜」

間延びしたウエイトレスの声が俺の言葉をさえぎる。

冷凍のポテトやチキンドリアがほかほかと湯気をたてて並べられた。
いただきますなんて言わずにフォークをとる。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫