《MUMEI》
兄弟の絆。
気付けば白い天井が見えた。横に視線を向けるともう1つのベッドで眠っている明日香が居た。

「アホが。何倒れてるんだ」

反対側に兄貴が居た。少し汗ばんでる。

「…………」

起き上がれば胸が苦しくてまた倒れる。

「急に心臓発作起こすからみんな焦ったんだよ」

「…ごめんなさい」

何か涙がこぼれてきて、段々止まらなくなった。

「ちょっと、泣くなって…」

兄貴が抱きしめてくれる。その温かさが生きていることを実感させてくれる。

「っ、怖かった、死ぬかと思った」

「ふは、お前、何しても死なねぇだろ?」

吹き出しながらも俺を慰めてくれる兄貴。

初めて、死ぬのが怖かった。恐れた。

落ち着く。ありがとう、兄貴。

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