《MUMEI》 ようこそ、これからの住居(すみか)へ。数日後、俺は無事、退院できた。 心臓発作の薬を貰った。 「こんなのいらねぇ」 ぽいっと捨てると兄貴が仕方なく拾って、 「捨てるなよ」 と呆れ気味に呟いた。 「いいじゃん、必要ねぇし」 「いつ発作を起こすかわからないでしょ?ちゃんと持っておきなさい」 未麻に釘を刺されたらもう何も通用しない。 渋々ポケットの中に薬を突っ込んだ。 「さぁ、ここだよ」 目の前に現れたのは、所謂、廃墟。少し寂れた洋館。 「ここが俺たちの居場所。吸血荘(きゅうけつそう)」 ネーミングセンス悪っ。本当に吸血鬼でそうじゃん…。俺が言うのはなんだが。 前へ |次へ |
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