《MUMEI》

しばし沈黙。ファミレスの喧騒が聴覚を満たし、大して旨くもない軟骨をかじる。

「・・・・で?」

「で?じゃなくてさ・・・・つか、わかるだろ」

「・・・・うん。けどさ、好きなんだよ。お前のこと」

「それは、何ていうか」

「うん、恋愛対象としてね」

事もなげに答える友人、チキンドリアをふぅふぅ冷ましてほおばるその口元に目がいって、思わず小さくうめいた。

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