《MUMEI》
始まりの青
それはいつもの一日から始まった。

俺は朝早く起きて家を出た。
そういえば今日は、朝の部活動が無いらしい。
・・・つまり、みんなが登校してくるまで2時間半、この学校は俺のもんだあああああ(((
先生は知らん。

そんな感じで教室へと続く廊下を歩いていると、

(ん?なんでこんなところに女の子が・・・)

廊下の真ん中に、一人の少女が立っていた。
俯いているので顔はわからない。
手にフランス人形を持ち、ピクリとも動かない。

(・・・いやそもそもこんな時間になんでいるんだよ!?)

「あの、君さ・・・どっから来たの?・・・お母さんとかは・・・」

と言いかけた時、少女が顔を上げた。

「・・・・!」

目が、青い。
ずっと見ていると引き込まれそうな美しい目。
しかしその目には、光が無い。

顔は外国人顔ではなく、ただひたすらに「美しい」と思わせるような、そんな顔。
しかしどこか人間離れしているような顔をしている。

「ねえ、お兄ちゃん」
「レイと遊ぼうよ」

少女は無表情にそう言った。

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