《MUMEI》
鈍い時間の流れの中で・・・
オホーツク海側に位置する小さな田舎町、そこに1人10歳の少女が古びた倉庫で生活をしていた。
TVもなければ、冷蔵庫もない、洗濯機もなければ、電子レンジも携帯電話もない・・・
少女は、顔に大きな十文字の傷跡がある、誰かにやられたのか事故なのか全く解らない、少女は黙々とコンビニ弁当をむさぼり食う、ペットボトルのジュースをがぶ飲みしながら・・・
少女が唯一持っているのは自作のヌイグルミ、数は100を超えるが全く可愛くないし、どれもオドロオドロしい、少女は弁当を食べ終わった途端ゴミはその辺にぶん投げフード付きのコートを着て1つヌイグルミを抱き、外へと出かける、目的は・・・無い・・・

田舎町の飲み屋街、少女は一心不乱に歩いていた。するとその後ろから2人の男子高校生が自転車乗って現れた。

『オイ、何だぁアリャ?』

『さぁ?わかんねぇ・・・からかってやろうぜっ』

2人の男子高校生は少女の回りをぐるぐると走り

『ねぇ君ぃ?何してんのかなぁ?ギャハハハ!』

『何だぁ?そのセンスねぇファッションは!?ハハハ!』

少女は一台の自転車を思いきり蹴飛ばし、男子高校生も倒れた。

『イッテェ!このガキぃ‼』

少女は、その倒れた男子高校生に馬乗りなり顔面を殴り始めた。
2人目の男子高校生が後ろから止めに入ろうとすると少女は肘打ちで鼻をへし折った。
鼻を押さえ倒れた男子高校生は震えながらもがき苦しむ・・・
少女は顔色1つ変えず男子高校生を殴り続け、顔面血塗れで気を失った。
少女はゆっくり立ち上がり、2人の男子高校生に背を向け、また一心不乱に歩いていった。

鼻を折られた男子高校生は泣きながら・・・

『待てゴラァ!どうすんだコレ!?やりすぎだべぇ!?』

少女の名は、木に咲く花という意味で、木花(もみじ)と呼ぶ。

『・・・ピザ食いたい・・・』



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