《MUMEI》

僕を呼んだのは大人しそうな少年だった

名を名乗ればふわりと優しく微笑む少年

うん、僕の主に相応しい子だ

「主、何処へ行っているのだ?」

「まずは姉さんに紹介しないとね」

「成程。主には姉君が居るのか。」

「うん。あ、僕の事は主じゃなくて、颯って呼んで」

「わかった」

長い廊下を歩いていくと部屋に着いた。

颯ではない霊力を感じる。

きっと姉君だろう。

「姉さん、開けるよ」

颯のその言葉と共に部屋に足を踏み入れる。

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