《MUMEI》

指が引き抜かれて唇が重なり合う。
あるかないかぐらいの隙間から、霜月の舌が滑り込んだ。

くちゅくちゅという淫らな音が鼓膜を叩くと、絡み合う舌の熱さと相まって黒月の体はどんどん熱くなる。

「……んっ、!!」

混ざり合った2人の唾液が黒月の喉を滑り落ちた。
普段は気にもかけないような感触が、今の黒月には凶悪な快感として襲いかかる。
びくん、と大袈裟なまでに体を揺らす黒月。

漸く唇を離した霜月は、カーペットにへたり込んだ黒月を見下ろすようにソファに座った。

「……ふふ、言っただろう?喉も例外じゃないよって。にしても、そんなに喉が気持ちよかったんだね」

黒月の唇をそっと撫でて、霜月は妖しく笑う。

まずいと思ったその瞬間、半開きになっていた黒月の口の中に霜月の昂った逸物が押し込まれた。

「大ばかりじゃ不公平だろう?だから、ほら。僕を気持ちよくしてよ」

むせ返るような雄の匂いに、黒月はその端正な顔を歪めて顔を引こうとする。

「おや、どうしてそんな顔をするんだい?いつもコレで気持ちよくさせられてるのは大だろう?」

頭を鷲掴みにされて、顔を引く選択肢を失う黒月。

黒月の抵抗は霜月を悦ばせるだけだったらしい。霜月の笑みがますます深くなる。
それを見て、黒月は抵抗をやめた。

「最初から大人しくしてればよかったね、大。ほら、ちゃんと気持ちよくしてほしいなぁ」

霜月の言葉を聞くと、黒月は疼く体を抱えたまま従順に口の中の逸物を愛撫し始める。

「っ、ん……最初の頃より、断然上手くなってるね……」

黒月はソファに座った霜月の脚の間に顔を埋めていて、手を伸ばせば楽に霜月でも下半身に触れることができる。
それをふと思い出して、霜月は何かを握りしめて黒月の下着に手を滑らせた。

「大、もっと気持ちよくしてあげるよ。ナヵのマッサージもしてあげる」

ぐちゃりと音をたてて、小さなカプセル状のそれは黒月の後孔に飲み込まれる。
霜月がスイッチを押すと、低いモーター音が部屋に響いた。

「〜〜〜〜〜〜ッッ」

がくがくと腰を揺らす黒月。
それでも懸命に愛撫を続ける姿に、霜月は頬を染める。

「大……きちんとご奉仕頑張るなんて、いい子だね……」

その後は、黒月のくぐもった声と霜月の荒い息遣いだけが暫く響いていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫