《MUMEI》
発端
「ん……どうしたんだい?ツキウサ。くん」

頬をつつかれて眠たげに目を開けた白髪の青年__アイドルグループ・Procellarumのリーダーである霜月隼は、ソファの肘掛けにちょこんと座った黒い兎のぬいぐるみを抱き上げる。

そして、そのぬいぐるみ__ツキウサ。が持っていた黒い封筒に気づいた。

「おや、お手紙かい?ありがとう。今日は僕しかいないのをちゃんと覚えていたんだね」

霜月は起き上がって膝に座らせたツキウサ。から封筒を受け取ると、宛名を確認する。

「……どうして、この子に」

珍しく怪訝そうな表情で呟いた霜月。
ツキウサ。は、きょとんとして彼を見上げていた。

______

____

__

その日のうちに、霜月はProcellarumとSix Gravityの全員とマネージャー2人をProcellarumの共有ルームに招集した。

「一体どうしたんだ、隼。ツキウサ。に何かあったのか?」

Six Gravityのリーダーである睦月始が、霜月の膝の上に座らされたツキウサ。を不思議そうに見やる。

「……実はね、こんな物が来ていたんだ」

深刻そうな霜月の手には、今朝ツキウサ。が持っていた黒い封筒。

「海、宛名を見てごらん」
「おう、分かった……って、え!?」

霜月から封筒を渡されたツキウタ。メンバー最年長である文月海は、封筒に記された宛名を見て驚きの声を上げたきり固まってしまった。

「海、どうしたの?」

Six Gravityの参謀と呼ばれる弥生春は、固まってしまった文月の手元を覗き込む。
そしてやはり__

「え、えっ?」

__弥生もそう声を上げたきり、固まってしまった。

「2人ともどうしたんだ?俺も確認を__」

睦月が言いかけると、Six Gravityの年少組ががっしりとその腕を掴む。

「……なんだ、お前ら」
「なんだじゃないですよ!!ミイラ取りがミイラになるっていうじゃないですかっ」
「そうですよ!!絶対見ちゃダメです!!」

困ったような笑みでそれを眺めていた霜月は、見かねたように口を開く。

「大丈夫だよ。その宛名のところには、ただ【ツキウサ。様】って書いてあるだけだから」

その瞬間、共有ルームは水を打ったように静まり返る。

そしてその2秒後、

「「「はああああああああ!?」」」

ピンク色の髪が特徴的な如月恋、燃えるような赤い髪がチャームポイントの葉月陽、そして元SPでマネージャーの黒月大の絶叫が共有ルームに響き渡った。

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫