《MUMEI》
第二話 旬果のありふれた日常
「んねぇ、ねえ!見てーー!」
鏡の前でチアの衣装に着替え終わった旬果は、先ほどから鏡越しに映るベッド上の高史の無関心さに対して気を引くように、くるりと回ると、精一杯チャーミングに見えるように、左足を九の字に持ち上げ白い太腿を見せつけた。
「似合うかしら?」
「んあ?いんじゃね?」
ベッドの上で漫画を読みながら、高史が旬果のほうをちらりと見て無関心そうに言う。
「ちょっとぉ!何よー!その無感動な態度は!」
旬果は激おこプンプン、柔らかな頬をふくらませた。
「いやいや、そんな事ないよ、似合うよ。可愛いよ」
ようやく高史が漫画を放り出し、ベッドの上に上体を起こす。
しかしどこかおざなりな態度は拭えない。
旬果の不機嫌さは、さらに増した。
んもう!高史ったら!
さっきから目の前で乙女が下着姿で着替えたりしてるのに、なんて態度なの?
それとももう私に魅力を感じないのかしら?
高史は旬果のそんな内心を知ってか知らずか、少し目を細めてご機嫌斜めなチアガールを眺めていたが、
相変わらず愛想の無い無関心さで、
「じっくり見てあげるから、そこで回ってみ?」
ぼそりと呟いた。
「え?こうお?」
旬果がその場でくるりと回ると、ミニのスカートが風でひるがえって太腿の上のほうまでまくれあがる。
「んーいいよー、いい感じ。もっと!」
「え〜ー?目が回っちゃうよ」
そう言いながらも素直にくるくる回り始めるところが旬果のかわゆいところ。
たちまちひるがえるスカートは水平になり、太腿にぴっちり食い込む三角形の布と、その上の縦長なおへそのくぼみまでが露わとなった。
「いいねー、ノッテきたよー♪もっと!もっと!」
「こうお?こうお?」
ふらつきながらも必死に回り続けるのが健気だった。
思春期の繊細な青さを感じさせる上半身とは裏腹に、
下半身はもっちりした太腿も、白いパンツに包まれたヒップも、もう充分に女としての色香をたたえている。
一年前にクラスメイトの麻美から紹介された大学生でラガーマンの高史に処女を奪われて半年....
すっかり少女から女らしくなってしまった体つきは、
日夜遊び人の高史と秘密のHレッスンに励んできた賜物だ。
高史はあぐらの上に肘をつき、逞しささえ感じさせる太腿からヒップの筋肉の動きと、それがくるくる回る眺めを無表情に眺めていたが、不意に下卑た笑みを浮かべ
「良いケツしてんじゃねーか、姉ちゃん!」
酔っぱらいオヤジのように囃し立てた。
「もう....やだあ」
旬果は我に帰ったように回るのをやめると、恥ずかしそうにスカートの裾を引っ張り下ろす。
「何を今さら恥ずかしがってんの〜ー。おけけどころかその奥まで何回も見られてる相手に♪」
「もう!いや!下品!怒るよ!」
旬果の顔がたちまち耳までピンク色に染まった。
「ごめんねごめんね〜ー!」
高史はのらりくらりだ。調子よく謝罪すると、
「あんまり旬果のチア姿が可愛いもんだからさ、ついつい意地悪したくなっちゃって!」
「え?本当!」
高史の調子の良いお世辞に旬果がのせられるのもいつものパターン。
高史も内心ひとりごちる。
これで麻美に後で話すネタが増えたな....。
麻美から旬果を紹介されてから、今日までのHレッスンの過程は、全て麻美の耳に筒抜けだった。
『初めて見せた時には、キャッなんて可愛い悲鳴あげてたのにさ。今じゃ眼をとろんとさせてこのチンポ
しゃぶってくれるんだぜ』
『へー、あの勉強ばかりの真面目っ子の旬果がねえ。どうせだったらもっとドスケベに調教しちゃったら。でも旬果も初めてからこんな立派なもので女にしてもらえたら幸せなんじゃないかしら』
麻美とは今だに割りきったセックスフレンドの関係が続いている。
今の会話も、3日前たっぷり麻美とメイクラブを楽しんだベッドの中でのものだ。
もちろん純粋な旬果にとっては知るよしも無い事。
「旬果....スカート、パンツの上まで捲って見せてくれよ」
「ええ?!」

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