《MUMEI》
月城さんがS気味な奏大
※OPIの日大遅刻。



「……月城」
「なぁに、黒月」

名前を呼ぶと、目の前の男はこてんと首を傾げて俺を見上げる。

「お前はなんで休みにも関わらず珍しく早起きしたらしい上に朝から押し掛けてきてひたすら俺の胸を揉んでるんだ」

早口で疑問を告げれば、不思議そうだった月城の表情がふにゃりと緩む。

「黒月、今日は何の日か分かる?」
「え?……陽の担当月開始?あと、毎年恒例ゲナカレーパーティに呼び出される日」
「仕事とアイドルばっかりだね……今日は8月1日だよ?8の前に0をつけてみてよ」

かなり分かりやすいヒントを与えられて、漸くひとつの答えに辿り着く。

「……お前、まさか」
「せいかーい。おっぱいの日、だからね」

くすくす。
楽しそうに笑う月城。
その手が黒いTシャツを捲り上げる。
じわりと月城の掌の冷たさが伝わってきて、思わず身じろぎした。

「やめ……っ、まだ8時だぞ」
「今日はお互い休みなんだから、別にいいでしょ?」

肌の上を月城の手が滑る。
そのままゆっくりと女性のそれとは全く違う胸を揉みしだかれて、背筋がぞわぞわと粟立つ感覚に襲われた。

「黒月は、乳首を責められるのが好きなんだよね」
「ひゃッ!?」

きゅむ、と白い指先で摘ままれた赤い蕾。
月城がそれを擦る度、快楽に正直になってしまった俺の身体にはびりびりと甘い電流の走る感覚が襲いかかる。

「や、やめ、月し……ああッ」

くにくにとそこが弄ばれて、下手したらその責めだけで達してしまうのではないかとすら思う。

「月城、ほんと、やめ……っひう」

弾かれたり、擦られたり、爪を立てられたり、いじり倒されてぷっくりと自己主張する蕾。
月城はその片方をぱくりと口に含んで、ちぅっと吸ってみたり舌先で押してみたりしながら楽しそうに微笑んでいる。

「やめろ、離れろぉ……っ」
「ん……離れていいの?」

顔を上げて俺を見つめる月城の口元が愉しそうに歪む。

まずいと思った瞬間、両の蕾に途切れることなく与えられていた快感がなくなる。

「黒月が離れろって言うから、離れてあげたよ?」

ほら、と両手をひらひらさせる月城。
俺は思わず交際し始めて何度目になるか分からない言葉を口にした。

「おま……やっぱ、Sだろ……」

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