《MUMEI》 涎で濡らした指を、そっと後孔に挿入する。 「ん、っ」 まずは1本だけゆっくりと入れて、そっと動かす。 慣れてきたら2本に増やして、少しずつ孔を拡げる。 同じように3本目まで呑み込んだところで、月城の視線が俺の顔に移った。 「いやらしい顔してる」 「ん、ッ、そりゃ、やらしいこと、してっから、な」 4本目まで入れてじっくり慣らすと、月城は目に見えてうずうずし始めた。 「早く入れたいな」 「ん……も、ちょっと、だから」 自分の気持ちいいところは自分が一番知っている。 目の前にいる恋人にされている妄想をしながら、今朝弄って悶えたばかりの場所を指先で何度も擦って身体を絶頂へ導く。 「あ、っあ、はぁ、うあ、んあっ、つ、きし、ろ、つきしろっ、はあっ、っは、つきしろ、つきし、つき、しろ、っ」 きゅうっと内壁が指を締めつける。 ぎゅっと瞑った目の奥が真っ白になって、溜まりに溜まった快感が一気に弾けた。 「は、あ、ぁ……っふ……ぅ」 頭がくらくらして全身から力が抜けた。 霞がかる意識でなんとか孔から指を抜いてベッドに横たわる。 快感がまだ続いていて、身体は時折俺の意思とは関係無くびくっと跳ねる。 「黒、月……それは、据え膳なのかな?」 「ん……黒月大、自慰からのフルコースですがなにかぁ……」 「ううん、なんにも。それじゃあ美味しくいただくね」 「残さずいただいてくれよ……」 「当然」 視界いっぱいに月城の欲情しきった笑みが映る。 喉に軽く噛みつかれたのを合図に、俺は月城に身を委ねた。 前へ |次へ |
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