《MUMEI》

「狐火先生、次の本の設定について訊いてもいいかい?」

隼が弾んだ声で問いかける。

「その名で俺を呼ぶな。次かー……次なー……あ、ウタ黒前提モブ黒で調教快楽堕ち本と奏大で痴漢プレイ本とお前ら年長組×黒月さんで花魁パロ本。どれか選びたまえよ」
「「「全部読みたい」」」
「全員真顔かつ即答とかワロリンヌ。オーケー、期待にはかっこよく応えたいよね!」

どこぞのスパダリ太刀のような言い回しでグッと親指を立てる賢。

「え、もしかしてホントに3つとも?」
「おう」
「「「あなたが神か」」」
「ていうかウタ黒って?」
「ツキウタ。メンバー×黒月さん」
「「「よきかな」」」

そうと決まれば、と賢は携帯を取り出す。
その手元を春が覗きこもうとするが、完璧にブロックを受けていた。

「見たら面白くないだろ」
「はーい……」

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