《MUMEI》

「司書さん、僕は最初からずっと君が好きだったんだよ?気づいてなかったでしょ」

バスローブの裾から手を差し入れて、司書さんの体を撫でる。司書さんはびくりと震えた。

「どうしてそんなに怯えるの?」

「怯えてなんか…でも、先生の目がぎらぎらしてて…」

「…ふぅん」

それってつまり怯えてるってことじゃないか。
なんか腹立つ。

バスローブを剥いで、部屋の自販機で買った震動する玩具を司書さんの胸に押し付ける。

「中野、先生…?」
「ごめんね?でも、こうでもしないと分かってもらえないと思ってさ」

たじろいだように視線を泳がせる司書さん。
煮えきらないその仕草に、ついに限界が訪れた。

「ごめん、もう我慢できない」

強引に唇を重ねて短いキスを何度も繰り返せば、司書さんの瞳はどことなくとろりとし始める。

「ね、司書さん。僕のモノになって」

耳許に唇を寄せて囁く。
司書さんはこくりと頷いた。

「はい…俺、中野先生のモノになります…」

「ふふ、嬉しいよ」

互いの身体をぎゅっと抱きすくめて、僕と司書さんは真っ白なシーツの海に倒れこんだ。

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