《MUMEI》
本番2
若い男性受講生のSも、背中では満足できないが、他の受講生が真面目にデッサンしている以上、自分だけ前のポジションに行くわけにはいかない。

この理性と本能の葛藤の演技が笑いを誘う。

やがて、受講生の女性の一人が席を立つ。シャープナー(鉛筆削り)を使うためだ。それは私の前にあり、鉛筆を削る間、私は同性から乳房を見られる。
それはリハの通りだったが、なぜか本番の彼女はセーラー服姿になっていて、裸の私よりも照れているようだった。
それでも、カメラはまだ私の胸を撮らない。

男性Sも、これなら堂々と裸体の前に行けると鉛筆を手に立ち上がるが、その鉛筆を講師Kがもぎとって削ってしまう。
Sが私の前に来る理由がなくなってしまう。

女性は次々に自分で鉛筆を削っていく。
それでも、カメラはまだ私の胸を撮らない。

あまりにも私の裸を出し惜しみするものだから、
視聴者が、本当は全裸になってないのでは?と疑い始めるころ、
予想を裏切って、私の乳房がカメラにさらされる。

はい、本当にトリックなしの完全ヌードでした。

乳首が映るまで、お茶の間もS以上に落ち着かなかったんじゃない?

結局。

番組製作はビジネス。
私はプロのヌードモデル。

だけど、視聴者にとっては、ヌードモデルというものを知るめったにないチャンスだったかも。

正しく評価してもらえたかな。
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