《MUMEI》 全裸の処女は夢みるつまりこれは、異例の裸マッサージ。 でも、だからこその開放感、至福感。 裸だから100%だという気がした。 ──未経験のセックスもこんな快感なんだろうか? ふと思った。 知識として、全裸で愛撫を受けて高まり、濡れたところで結ばれ、揺さぶられる──ことがセックスだと考えている。 ヌードモデルの仕事では、裸になった開放感とか見られる快感なんて感じたことはない。 それは、触れられないからだ、と今わかった。 今、私は裸で愛撫されている。 セックスの序章とどこが違うのか。 だから── タオル越しのマッサージがうつぶせの臀部に移ったとき、 会陰もお願いします、と言ってしまった。 施術師は、いいんですか、と言いながら、タオルを外し、私を仰向けにし、脚を開かせた。 「うっ」 これが、会陰。 実際には快感というより違和感だったが、失望はなかった。 完全な裸で、秘所に限りなく愛撫に近いことをされている── 本当の快楽は、いつの日か体験するセックスまで未知のまま──それでよかったから。 ────────── 前へ |
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