《MUMEI》 レオタード倒錯の世界だわ── セミプロのヌードモデルなのに一枚も脱いでいない私は、部屋の隅に立って初々しい新人モデルを見ていた。 新人モデル──少年の彼女はレオタードに着替えていた。 黒一色のバレエ教室のようなレオタードだなと思っていたら、本当に彼女はバレエを習っていた。 白い肌が映える。美しい体のラインが映える。 スタイルいいなー。 同性が見ても、羨ましい。 最初は、先日の着衣の私と同じく椅子に座ったナチュラルなポーズだったが、すでに少年は体の線をつかみ損ねているようだった。 制服や浴衣ではわからない、体のライン──その曲線がつかめないから、ヌードを怖がっていたのかもしれない。 「本当に好きなら、きれいに描いてあげなさい」 私のアドバイスはこれだけ。 やがて少女は椅子を立って、バレリーナらしく、さまざまな躍動感のある美しいポーズを見せた。 言うまでもなく、シルエットはヌードそのものだ。 「あ、きれいなお尻」 思わず言ってしまった。 少女も満更ではないようで、もっと笑顔になって演技を続けた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |