《MUMEI》
授業(2)
当時のテレビは普通のドラマで女性の乳首を映していた。

美術の教科書にも裸婦画は載っていた。

それでも、生身の女性の乳房は、家族のものでも滅多に見ることはなかっただろう。

女子だって、スクール水着に着替えるときか、修学旅行の入浴時間ぐらいしか、クラスメイトの裸の胸を見ることはない。

男子もいるなかで、ある程度の時間自発的に公開された乳房は、きわめて異例だった。
しかも、目に焼きつけるだけでなく、クロッキー帳に残していいのだ。

いつも胸が大きい子をひやかし、普段はおっぱいを見たくてたまらない男子が、
いざ公然と見ていいとなると、目のやり場に困っていた。
でも、それも最初だけ。
またとないチャンスはきっちり活かし、ちゃんと絵を完成させていたようだ。

不公平がないように、ミナコは反対側の椅子にも移ってくれたので、
中学生なりの過不足ない大きさの乳房が、私からもしっかり観察できた。


前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫