《MUMEI》 授業(2)当時のテレビは普通のドラマで女性の乳首を映していた。 美術の教科書にも裸婦画は載っていた。 それでも、生身の女性の乳房は、家族のものでも滅多に見ることはなかっただろう。 女子だって、スクール水着に着替えるときか、修学旅行の入浴時間ぐらいしか、クラスメイトの裸の胸を見ることはない。 男子もいるなかで、ある程度の時間自発的に公開された乳房は、きわめて異例だった。 しかも、目に焼きつけるだけでなく、クロッキー帳に残していいのだ。 いつも胸が大きい子をひやかし、普段はおっぱいを見たくてたまらない男子が、 いざ公然と見ていいとなると、目のやり場に困っていた。 でも、それも最初だけ。 またとないチャンスはきっちり活かし、ちゃんと絵を完成させていたようだ。 不公平がないように、ミナコは反対側の椅子にも移ってくれたので、 中学生なりの過不足ない大きさの乳房が、私からもしっかり観察できた。 ▽ 前へ |次へ |
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