《MUMEI》

『彼女の遺族はその事に酷くショックを受け、腹を立て、そして悲しんだ。

こんな躯にされて…

こんな酷い殺され方をされて…

その上、まだ見つからないままの部位がなんて…と。


ただでさえ酷い姿をした遺体だ。いつまでもそのままにしておくなどできない。
それでは余りにも彼女が不敏である。

悲しみの中、遺族が出した結論は、躯が足りないままでの埋葬だった。


やむを得なかったのだろう。


原田美和子…。

彼女は頭部と両足を現世に残されたまま、埋葬されてしまったのだ。』

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