《MUMEI》

中に入ると湿った空気が流れて来る。

−−本当に真奈はここにいるのだろうか。

一度中に入ったことがあるとはいえ、真っ暗なのでなかなか進むことが出来ない。

「真奈、いるのか」

俺は声をかけた。こんな場所にいることを誰かに見つかってはいけないので、本当は声をかけない方が良いと解っていても、この不気味な空間から少しでも開放されたいが為に声を出した。

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