《MUMEI》
たまには良いね。
「何してんの?緋駿(ヒトシ)」

「あぁ、匠來兎(タクト)。些原(サハラ)がなんか言いたい事があるっぽいからからちょい行ってくる。」

「いや、どこに?!」

本当にその通りだ。

緋駿はどこにいこうとしてるんだろう。

でも、私の名前を覚えててくれたんだ……。

それが嬉しかった。
しかも私が何も言わなくても言いたい事があるって分かるのは緋駿のすごいところだ。

いまだに緋駿の腕を握っている私を見て匠來兎はニヤニヤしながら「そうゆーことね!」と言ってどこかに行ってしまった。

どこ行ったんだよ、まったく…。と思いながらも思わずニヤけてしまう。

たまにはこうゆう会話も良いもんだと改めて思った。

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