《MUMEI》
正義のヒーロー
急に現れたのはグレーのパーカーを着た少年だった。

『お前たちには魔法使いさんの指一本も触れさせない!!!絶対に、絶対にだぁぁぁぁ!』

その少年はそう言っていた。
どこかで聞いたことのあるような声だった。

少年は狼をあっさり倒すと、何も言わずに歩き出した。
なぜか、離れたくないと思った。

しかし、そんにことは言えるはずがない。
だから感謝の言葉を伝えた。

「あの、助けて頂いて感謝の言葉しかありません!あなたは私の正義のヒーローです!」

魔法使いは、少年にそう叫んだ。

『別に、感謝の言葉なんていらない。あと、さっき猫を見かけたよ。木の枝に赤い紐が付いてた。助けに行けば?』

少年はそう言って、すぐにどこかへ行ってしまった。
なぜ少年はハルトがいないことを知ってるんだろう。

魔法使いは首をかしげたが、すぐにハルトと初めて会った場所に走り出していった。

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