《MUMEI》 不思議「ハァ…ハァ…」 思い出を頼りにしているので、この道が正しいとは限らない。 しかし、進んでいくにつれてなんだか懐かしい感じがした。 「あ…!ハルト!」 そこに居たのはハルトだった。 今でも落ちそうなところに居る。 …と、その時。 とても強い風が吹いた。 その瞬間、ハルトは枝から落ちた。 しかし地面に落ちる寸前、魔法使いはハルトをキャッチしていた。 【ズズズ……ズドッ…】 魔法使いはハルトをだきかかえたまま、地面に転がっていった。 魔法使いはかすり傷を負ってしまったが、ハルトは傷ひとつない。 魔法使いはにっこりと微笑んだ。 するとハルトは魔法使いにステッキを渡した。 「あ!ハルト、そのステッキ……!あれ?なにその石…?」 魔法使いはハルトの口の中にステッキと、虹色に光る石があることに気付いた。 『ニャア』 ハルトは、いつものように喋らなかった。 「ハルト?どうしたの?」 そう問いかけてもハルトは何も言わない。 「ハルト……」 魔法使いはなぜ喋らないのか不思議だった。 しかし魔法使いにはまだパーティーに行くという使命があった。 魔法使いはハルトを抱いて歩き出した。 前へ |次へ |
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